院外活動レポートReport

西条農業高校野球部メディカルチェック~野球腰~

こんにちは。理学療法士の百﨑です。

私と理学療法士の久保田は毎週木曜日に西条農業高校野球部のトレーナー活動をしています。普段は現場で選手のコンディショニングや障害予防のためのトレーニング、ストレッチなどの指導をしています。

そして年1回、シーズンオフに選手に当院に来てもらい院長や理学療法士の協力を得て、メディカルチェックを行っています。
>詳しくは2014年コラムをご覧ください。

毎年、腰痛を訴える選手が多く、今年も院長から疲労骨折の疑いを指摘された選手が数多く存在しました。

今回は野球ヒジ・野球肩と同じくらい多い「野球腰」の中の腰椎椎弓根疲労骨折・分離症について紹介します。

腰椎椎弓根(ついきゅうこん)疲労骨折とは
繰り返しの伸展(腰を反る)、回旋(腰椎をねじる)ストレス、つまり主にバッティング動作が原因となることが多い。

疲労骨折を放置し骨に癒合する能力がなくなると偽関節(あたかも偽物の関節ができたような状態。不安定に動き、そのたびに痛みを感じる。)となり、以後癒合することはなくなる。これを「分離症」と呼ぶ。

分離症になれば、腰痛が出やすく、痛みと付き合って行かなければいけない可能性が高くなる。

早期発見、治療が重要。

癒合が期待できる場合は運動の中止、コルセット装着を2~3ヶ月行う。

バッティング動作で腰椎に負担のかかる主な原因

・股関節の柔軟性低下(特にねじる動き(内旋・外旋))
・胸郭(みぞおちより上)の柔軟性低下
・ロングティー、マスコットバット、長尺バット、オーバースイング 
(これらの練習方法は非常に効果的かもしれないが、すべての練習には クスリと同じように副作用があることを忘れてはいけない)
・ステップ足のつま先の向き(内を向きすぎていると股関節を回せない)

「腰を回す」という言葉を誤解しない。股関節、胸郭(みぞおちより上)のねじれが重要。

オーバースイング・つま先の向きに注意

参考文献:高校球児ならしっておきたい野球医学

理学療法士 百﨑 真也